不況

普通ならばこの12月は塗師屋さんにとっても忙しい時期のはずですが今年は特に様子が違います。
耳にするのは倒産の噂や実際、抱えていた職人さんを全員解雇した漆器店の話、また今年いっぱいでやめてもらうように言われている職人さんなど、おおよそ年末の忙しさとはかけ離れた話ばかりです。また離職した職人さんは輪島では仕事が見つからず頭を悩ましていました。厳しい弟子の修行を終え、ようやく一人前の職人になって数十年間築き上げたてきた仕事を急にやめなければならない。それが当たり前のような今の実情に違和感と無力感を持たずにはいられません。有能な技術をもった職人がいなくなれば輪島の基幹産業である輪島塗の未来もありません。取り返しのきかない事に自体は向かっています。
輪島には沢山の漆に携わる人々がいます。その一人一人の熱い思いを何とか多くの人に知ってもらいたいと願っています。