輪島塗産地従事者実態調査に思うこと

先月、輪島漆器商工業共同組合より「輪島塗産地従事者実態調査の協力依頼」と言う書類が届きました。

しかし、この内容を読んで、ちょっと腑に落ちない点が多々ありました。

それは、平成21年度を基準として平成22年度の売上量や、仕事量の増減割合を調査する物だったからです。

売り上げが急激に落ち込んだのはそれ以前からのこと。近年比の統計をとっても、従事者の現在の生活を把握することにはならないからです。この調査内容だと実態調査の意味がありません。

調査内容自体に問題があると思います。

実際、そのことを理由に報告書を提出しなかったという方もいました。

以前にも話したことがありますが、職人の生活はサラリーマンとは違った基準で計るべきだと思います。

単純に言えば、専業輪島塗従事者がどれだけ所得があるのかを見れば一目瞭然です。

本当の実態調査をするのであれば、副業や共稼ぎで生活を凌いでいる方がどれくらいいるのかなども把握する必要があると思います。

自分も含め、最低賃金法以下の生活をしている方はかなりいるのではないでしょうか。それでもその職業を手放さない（手放せない）でいる、輪島塗従事者の気持ちにもっと深く踏み込んだ調査をして欲しいと思います。