日本人の美意識

「笠地蔵」という民話がありますが、自分はこの民話がとても好きです。

貧乏な老夫婦がお正月の準備をするために編み笠を作り、おじいさんが町に売りに行きます。
しかし笠は一枚も売れず、落胆しながら家路につきます。その途中、雪をかぶり並んでいるお地蔵様に編み笠をかぶせます。
一枚足りないことに気づいたおじいさんはそのお地蔵様に自分がかぶっている手ぬぐいをかぶせました。
家にかえり編み笠が一枚も売れいなかったこと、その編み笠をお地蔵様にかぶせてきたことをおばあさんに話します。
それを聞いたおばあさんは「おじいさんそれはいいことをしましたね。」といいます。
お正月の準備も出来ないまま二人は眠りにつきます。

ここまでのお話。子供ながらに「こんなきれい事あるわけない！」と思い、それでもこうありたいと思い続けてきました。

苦境にあってもの相手を思いやる心を持つおじいさん。笠が一枚も売れずに帰ってきたおじいさんを温かい言葉でむかい入れるおばあさん。

今回の大地震で被害に遭われた方にはまさしくこの美意識が生きていました。
世界のメディアが賞賛しました。
日本人である事に誇りを感じ心が少し温かくなりました。