蒔絵文字盤

ちょっとHっぽい蒔絵文字盤を描かせていただきましたが、他の依頼の物も紹介します。
全部で6種類。クライアントのご希望の図案をこちらで構成し蒔絵に仕上げました。
お待たせをして申し訳ありませんでした。

萌え蒔絵時計文字盤

今回、特注で取りかかっていたのは「萌え蒔絵時計文字盤」です。
この依頼者の方は今回の蒔絵文字盤の前に彫金でも「萌え時計盤」を発注した経緯がありその仕上がった時計盤をブログで拝見しましたが直径3㎝程の中に手彫りとは思えないほどの繊細な線彫りで仕上げられていました。
そして今回、自分に蒔絵での発注がきたのですが、なかなか苦心しながらの制作でした。
原画は発注者自らが描き上げた物でそれを蒔絵で表現してゆくわけですが自分の中で一度消化させ雰囲気を損なわないように仕上げました。
背景は溜め塗り漆仕上げにしてその上に花魁（おいらん）を描いてゆきました。
一番力が入ったところは胸？　ではなくてやはり顔です。ほんの少しの筆圧で表情が変わってしまいます。納得いくまで何度書き直したことか。
そうして仕上がったのがこれです。　写真だと金の照りやディテールが伝えられませんが結構グラマラスに仕上げてあります。
時計に組み込まれたらまたひと味違って見えるのでしょうねー。
　楽しい仕事をさせていただきありがとうございました。

リーダー

少し前に初めての伝統工芸士新年会に出席しました。
その席で商工会議所会頭の挨拶の内容に驚きを感じました。

県庁所在地である金沢市の市長が最近若い方に代わられました。その方が公の席で「今までのように伝統を重んじていては金沢の将来はない。これからはITとスポーツを全面に出した政策を行っていく。」といわれたそうです。
それを聞いた輪島市商工会議所会頭も驚かれ、それでは伝統を基盤にしてる輪島にとっては大変なことになると思ったそうです。
自分も金沢市長の本意はわかりませんが言葉をそのまま受け取るととんでもないことだと思います。
それらは同じくらい重要視されるべき物だと思うからです。
文化はその土地に根ざした物。それをないがしろにする政策はいかがな物かと思います。伝統文化は受け継がれてこそ伝統です。
IT、スポーツ都市。若い世代には新鮮に聞こえるかもしれませんがそれだけを推し進めるのは感性、感情の希薄な人間、社会構造生み出すことにつながりかねないと自分は考えます。

感謝！

「こんにちわ！」あまり聞き慣れない声に玄関先に出てみると同級生でした。
「ブログ見て、使わなくなった材料があったから持ってきたわ。兄弟子のもあったから良かったら使って。」と。
その手にはかなり以前に製造された色粉です。
以前このブログで蒔絵の材料が手に入らなくなる記事を書いたのですが、それを読んでくれたようです。
　彼自身、蒔絵を転職をしていますが、わざわざ気にかけて持ってきてくれたことに感謝です。大切に使わせていただきますね。

プロフェッショナル

以前、お話をしたことがありますが、輪島塗は様々な職人の確かな技術の蓄積で出来ているといっても過言ではありません。
今自分が制作している作品もそんな職人の卓越した知識と技術をお借りしながら少しずつ形になってきました。
写真のお二方は自分が信頼する椀木地職人（ロクロを使って整形します。）と朴木職人（まさしく朴木などを削ったりして整形する細工担当。）です。
　デザインをおこしてもそれを実際の形にするにはやはりその道のプロの意見を聞きながらでないとうまくいきません。
いろんな方の力と技術をお借りしながら作品は仕上がっていくものなんです。